イベントストーリー

2015年12月09日

連続イベント 「羊飼いと奇術師」 (後編)

金色で身を固めた戦士が、虎皮で身を固めた戦士が、様々な人たちの助力を得て狂暴化した羊を撃退していた。

「あれ?あっけないな」

そう。狂暴化しただけで戦闘力そのものは上がっていなかったのです。
ここで撃退しておかなければ、マジンシアの草花そして非力な市民たちに危険が及んでいたかもしれないのです。

この撃退された、紫色に変色していた羊たちの死骸を見つめて羊飼いは悲痛に叫んだ。
羊飼いSaint「わ・・私の羊が・・どうしてくれるのだ? ぉぉおおお・・・」 
Petrushkaの元に知らせがたどり着き、顔色が青ざめた。

Petrushka 「皆さん! 悪い知らせです!」
     「奇術師がこの島中に現れて、悪しき動物を放ったのです!」
     「どうか、これを撃退して頂けないでしょうか?」

Petrushkaは皆に向かって懇願した。
そしてマジンシア各地に動物30体が沸いたので、これを撃退に東奔西走していく。
発見されたのは、黒色の鶴x7 白い熊x8 炎色の馬x7 紫色のラマx8だった。
やがて、30を数える魔物化した動物が全て人々の手によって撃退されたのだった。
撃退を確認出来たPetrushkaは皆を大花壇前のステージの前に集めるよう、呼び掛けた。

Petrushka 「皆さん!皆さん!」
     「皆さん!聞こえますか~?」
     「皆様のおかげで何とか退治できたようですよ~」
     「ひとまず大花壇前のステージ前に集まってください~」
        
ぞろぞろと人々がステージに集まり、Petrushkaもステージに戻ったので改めて発言していく。

Petrushka 「羊飼いさんには酷い事をしてしまいましたね。。補償に行きましょう。」
     「皆さん申し訳ないけど、ついてきてくださいね。」 

Petrushkaを先頭に、皆で羊飼いの所に戻ってみると・・・
  ムーンゲート周囲にはいませんでした。

Petrushka 「皆さん・・あの羊飼いどこに行ったのでしょう・・?」
     「きっとマジンシアのどこかにいるはずです。探してもらえないでしょうか?」
     「見つけられたらチャンネルの方でお知らせくださいねー!」

皆それぞれ島中を駆け回り、羊飼いの居所を突き止めたのだった。

発見の知らせを頂いたPetrushkaは皆に呼び掛ける。

Petrushka 「よかった!まだ本島に居たのですね!探して頂きありがとうございます!」

移動していた羊飼いは港の波止場に居た。チャンネルを通してPetrushkaが皆さんに呼ばれて波止場に案内される。
波止場で羊飼いを見つけたPetrushkaは一礼した。

Petrushka 「羊飼いさん。そなたの羊を死なせてしまい申し訳ありませんでした。」
     「わたくしマジンシア首長に「補償」させてくださいませんか?」
羊飼いSaint「これはマジンシア首長様。補償さえあれば食っていけるんでぇ。お願ぇします。」

羊飼いは消えそうな声でうな垂れていた。
「補償」しなくては…

Petrushka 「皆様、羊飼いが補償で良いと仰ってくださったのです。」
     「今から補償として何が良いのか銀行で考えてみましょうか?」

銀行に行けば補償についてのアドバイスを頂けるかもしれません。そう考えたPetrushkaは銀行へ行くよう促す。
Petrushka一行で波止場をあとにして銀行に足を運んだ。

Petrushka 「さぁ銀行に着きました。私は手続きしてきますので、皆さんにも」
     「少しで良いので補償のお手伝いして頂きたいのです。」
     「この方に「補償」と話しかけてください。ここからは各自で進めてみてくださいね。」

Petrushkaは銀行員と交渉していった。
銀行員Marco「羊飼いの件ですね。「もこもこ」したものが良いと思います。」
     「もこもこは羊の羊毛です。裁縫屋の方で詳しい話聞けると思いますよ。」

「もこもこ?」なんだろう?
不思議に思いながらも皆で裁縫屋に向かうことになった。
人でいっぱいになった裁縫屋で一人一人が裁縫屋の一人に声をかける。

裁縫屋Crawl「もこもこですね!こちらの「羊毛」もしくは羊から刈って納めると良いと思いますよ。」

裁縫屋からアドバイスを頂いたPetrushka一行は各自で羊の毛を刈ってきたり、その店で売っていた羊毛を購入したりした。
この羊毛を持って羊飼いの所まで行けば良いんですね!
補償の用意が出来た一行は羊毛を持って、波止場に戻ってみた。
しかし、そこには羊飼いSaintの姿はなく、別の羊飼いが釣りをしていたのです。
釣りを中断している頃合いを見つけて、一行は声をかける。

羊飼いSai 「Saintさんですか?メモリアルホールの方へ行きましたよ。」

メモリアルホールの方に羊飼いが向かったと聞いて、急ぎ足でメモリアルのホールに向かっていった。
そこには羊飼いSaintがいたので、各自で対応していく。

羊飼いSaint「皆さんお待ちしていました。補償の方よろしくお願いします。」 

Petrushkaは彼女に補償金を渡す。周りにいた一行は手に入れた羊毛を渡していく。

羊飼いSaint「これは高級な羊毛ありがとうございます!これで当分はしのげます。感謝します!」

すると暫くの沈黙ののち、羊飼いSaintが消えて奇術師Paineになった。
ホールでPetrushkaが話し始める。
  
奇術師Paine「皆さま。お陰様で羊飼いへのお詫びは「済み」ました。ありがとうございました。」
     「お気付きかもしれませんが、私は最初から羊飼いでございます。」
Petrushka 「そうだったのですか?全ては「演技」だったということ?」
奇術師Paine「わたくしめのささやかなお使いにお付き合いありがとうございます。」
Petrushka 「待ってください!」
奇術師Paine「いずれまた会いましょう!それでは皆さんごきげんよう!」

消えては現れ、必要最低限の話しかせず、多くの謎を残したまま奇術師は消えていった…


            ◇◆◇

こうして羊飼いと奇術師Paineの話は終わりました。
   「奇術師行ってしまいましたね。」
   「最初の挨拶から乱入されてしまいましたね。それでは話を戻しまして・・・」
   「ここまで付き合って頂いた皆様にお願いがございます。」
   「マジンシア大花壇をクリスマスまでに赤と緑で可能な限り花で埋めて頂きたく、」
   「皆様の力をお借りしたいのです。なお、種はお持ちでない方は配布させて頂きますね。」
   「必要な道具などは配布しますので不明な点はお尋ねください。」
   「ガーデナーの方々にアドバイス頂いて植えて頂けると幸いです。」
   「これで今日のミニイベントはここまでになります。」
   
ここで●PECナニワさん登場して挨拶。

Petrushka「次回はクリスマスイブの日に奇術師の続編「羊とワイン」のイベントを開催します。」
    「それでは皆さんお疲れ様でした。」

                             ミニイベント「羊飼いと奇術師」(完)


連続イベント 「羊飼いと奇術師」 (前編)

◇◆◇「羊飼いと奇術師」◇◆◇

 世界は桜シャードの波長を示している。
四方を青い海で囲まれた、一時は壊滅して灰塵と化した「マジンシア」という街。
瓦礫で埋め尽くされた街は島を訪れる人々の手によって復興へこぎ着けられた。
新たに生まれ変わった新生マジンシアの街はやがて「ニューマジンシア」と呼ばれるようになった…


       ■11月24日の日が西へ傾き始めた頃。
 ニューマジンシアの街の中央からやや北の方に位置する場所にある「マジンシア大花壇」。
この大花壇前に、あたりの一面に広がる緑の芝の色と対照的な、赤いカーペット、そして葉が朱く染まったカエデの木。
この赤と緑で彩られたステージを前に人が集まっていた。

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その視線はステージ上に立つ、明るいオレンジ色のロングスカートを履き、煌く水色の豪華な胸当てを着こなした赤い髪の人に注がれていた。
彼女はこのニューマジンシアの街を治める「首長」に就いているPetrushkaであった。

Petrushka「お待たせしました。 只今よりミニイベントを開始させて頂きます。」
    「この後ろに見える大花壇。 中央を囲む周囲が少々寂しい気もします。」
    「ニューマジンシア首長の願いとして、この花壇をせめてクリスマスカラーに」
    「赤と緑で彩られた花で飾られた花壇にしたいものですね…」


Petrushkaはステージの上で皆さんの前に感嘆混じりの表情を浮かべながら未来を願うように目の前の人々に訴えかけた。
聞いている皆も半数が花壇の現状を見て、折角の花壇なのに何も植えられていないという、寂しさを募らせていた。

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すると、Petrushkaの後方の大花壇の方から笑い声が聞こえてきた。

      「はっはっはっ!花など笑止千万。動物の餌にしかならないのだよ。」

音がした方向を振り向くと、そこには黒い紳士服を着こなした、見るからに怪しそうな男性が立っていた。

Petrushka 「急に何を?、あなたは何者ですか!?」
Petrushkaは黒い服で身を固めた紳士に向かって叫んだ。
すると、その黒い男は一瞬で消え、今度は私と一般人の間を挟んだ位置に登場してきた。
   
奇術師  「これは失礼を!わたくしめは奇術師Paineでございます。以後ともお見知りおきを。」
Petrushka「その奇術師が何の御用なのですか?動物の餌とは?」
奇術師  「これから、わたくしからのお花より素敵なショーをと思いましてね。」
Petrushka「失礼ね!お花より素敵?あなたは一体何を見せてくれるのですか?」
奇術師  「フフフ。この一帯の緑を荒らし尽くしてやりましょう! 」
Petrushka「させるもんですか! ああっ! 待ちなさい!」

Petrushkaは奇術師Paineを問い詰めようと一歩踏み出した。
すると、奇術師はまた消えていった。
それからその奇術師Paineの居た箇所から順にムーンゲートのある方向へ向かって花が次々と消えていった。
(特殊色の紫ポピー3、赤ナデシコ3個が消えていく。)
  
そばにいた一般人たちも事の異常を察し、奇術師Paineに対し敵意を覚える。
民A   「ペイン!何てことするんだ!」
民B   「おう!あの野郎許せない!」

Petrushka 「なんてこと!皆さん奇術師を追いかけて暴挙を止めなくては!」
     「どうやらムーンゲート方向に飛んだようですね!皆さんも付いてきてください!」
   
そしてPetrushkaを先頭に、一般人の皆さんが駆け足で付いていった。

ムーンゲートが見えてきそうな森の中を抜ける所に差し掛かった時、一人の女性が手頃な岩に座っていた。
休んでいるのだろうか?奇術師の行方をあの羊飼いらしい人に尋ねてみよう。
Petrushkaは岩に腰を掛けていた羊飼いに声をかけてみた。

Petrushka  「どうやらムーンゲート方向に飛んだようですね!皆さんも付いてきてください!」
羊飼いSaint「「先ほど怪しい服を着た男が何やらウチの羊の群れに魔法をかけて行ったんだよ。」
   
羊飼いは先ほどの黒い服を着た奇術師に何かをされたみたいで不安な様子だ。
すると、左手の方向に黒ずくめの奇術師が登場した。

奇術師Paine 「それ!しもべよ!辺りを喰らい尽くせ!」
奇術師は手を羊に向けて掲げて大声で吠えた。

すると、羊飼いSaintの羊たちがみるみるうちに一回り大きくなり、狂暴になっていく。
どうやら、魔物化し、人をも襲う狂暴羊となっていった。
この13匹の羊があたりの草を荒らしながら、周囲にいた人たちに襲い掛かろうとしていた。